鼻腔のCFDシミュレーション

執筆者
Aurélien RUMIANO

はじめに

ついに、CFDソフトウェアで使用できる鼻腔の3Dモデルを作成できました。
CFDとは何か知らない方のために説明すると、CFDはComputational Fluid Dynamics(数値流体力学)のことで、流体、この場合は空気を研究するものです。
流量は15 l/minとし、壁面には温度条件を適用しませんでした。
参考までに、各鼻孔の面積は約68 mm²、咽頭の始まりの面積は420 mm²です。また、私の断面積はこちらの以前の記事で確認できます。

結果

右側面図

この表示では、空気の流れが細い管で表されています。空気のほぼすべてが中鼻道を通過し、速度は1.5~2 m/sです。一方、下鼻道の領域では空気の流れがほとんどなく、速度も非常に低く、0.5 m/s未満です。鼻孔付近の一部の領域では、速度が約3 m/sとかなり高くなっています。

左側面図

左側も同じです。

スライス表示

この表示では鼻腔をスライスしています。図の左側は鼻孔付近、右側は咽頭付近です。空気の量ではなく速度だけを見ていますが、ほかの表示と同じく、右側の鼻壁インプラントがあるにもかかわらず、下鼻道では速度が非常に低いことが分かります。

結果の解釈

結果はそれほど驚くものではなく、空気の流れの分布について同じ結論に至っている研究もあります。例えばこの研究では、下鼻道の空気の流れが大幅に減少すること(25.8% ± 17.6%)が示されています。また、下鼻道の領域では壁面せん断応力 (WSS)も低下していました。これは粘膜の壁面に働く摩擦力です。せん断応力が小さいほど、空気の流れの感覚も弱くなります。確実ではありませんが、空気の量と速度が小さくなれば、壁面せん断応力も小さくなると考えられます。私のシミュレーションでは、ソフトウェアの制約により壁面せん断応力を測定できませんでした。しかし、下鼻道では速度と空気の流れが非常に低いため、WSSも低いと言えるでしょう。また、この同じ研究によると、「窒息感」や「鼻が開きすぎている感じ」という症状は、下鼻甲介周辺のピークWSSと有意に相関していることも分かっています。つまり、下鼻道の領域でWSSが小さいほど、窒息感や鼻が開きすぎている感じが強くなるということです。

空鼻症患者における異常な鼻腔空気力学と三叉神経機能の調査

結論と次のステップ

ENSの問題の1つが空気の流れの分布であることがはっきり分かったので、異なる領域に配置した仮想インプラントで改善を試みます。もちろん目標は、健康な鼻と同じ空気の流れの分布に近づけることです。

限界

明確にしておくと、私は研究者でもCFDの専門家でもないため、さまざまな要因によって結果が間違っている可能性があります。条件や考え方に誤りを見つけた場合は、ご連絡ください。

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